子どもの自閉症の症状と成長に合わせた対処法

子どもの発達障害 

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自分の子どもが自閉症かもと思ったときに気になる、子どもの自閉症の症状の特徴や、子どもの成長に合わせた対処法をわかりやすく紹介していきます。

子どもの自閉症の症状と原因

子どもの自閉症の症状と特徴

子どもの自閉症の症状としては、以下のことが上げられます。

  • 人と目を合わせようとしない
  • 人とのコミュニケーションが苦手
  • ことばが覚えられない・使えない
  • 特定の物や動作に強いこだわりがある

それぞれの症状についての特徴を詳しく紹介していきます。

人と目を合わせようとしない

自閉症をもつ子どもは、赤ちゃんのころから、お母さんがあやしても母乳をあげても、目を合わせようとしません。声をかけてもあまり反応がなく、抱っこを嫌がります。泣いたり笑ったり、お母さんにしがみついたりといった愛着行動が少ないのも特徴です。そのため、1歳くらいまでは育てやすい子と勘違いすることもあります。
幼児期になっても、友達に関心を示さず、一緒に遊ぼうとしないのも特徴です。

愛着行動・・・赤ちゃんが母親を自分に引き付けるために自発的にする行動。無く、笑う、吸う、しがみつく、目を合わせる、後追いをするなど。

人とのコミュニケーションが苦手

自閉症をもつ子どもは、表情が乏しく、自分の気持ちを表現したリ、相手の気持ちを理解するのが苦手です。突然、自分の感情を爆発させたり、相手の気持ちを無視して、勝手な行動をとったりします。
小学生になってもうまく感情をコントロールできず、理由もなく泣いたり怒ったりすることもあります。

ことばが覚えられない・使えない

自閉症をもつ子どもは、ことばの発達が遅れることが多く、3歳ぐらいになってもあまりしゃべらないこともあります。お母さんが呼びかけても返事がなく、自分から話しかけることもほとんどありません。その中には、ことばがないこともあります。また、ことばがあっても、会話が成り立ちません。聞かれたことをおうむ返ししたり、要求を疑問形で表現したり、ことばの使い方がわからないこともあります。相手の話を無視して一方的にしゃべるということもあります。

特定の物や動作に強いこだわりがある

自閉症をもつ子どもは、いつも同じ行動を取りたがり、道順や手順、物の置き方などがいつもと違うとパニック状態になることもあります。
遊びのバリエーションが少なく、いつも同じ遊び方をします。興味をもてば、複雑な作業もできるのですが、ままごとやお姫様ごっこ、ヒーローごっこなど、想像力が必要な遊びは苦手です。積み木で遊んでも、ただまっすぐに並べるだけで、創意工夫して家や橋などをつくることは苦手です。
おもちゃよりも日用品や家具についてるラベルやマーク、カレンダーの数図などに強い関心を示すこともあります。
また、手を顔の横でひらひらさせたり、くるくる回り続けたり、ぴょんぴょん飛び続けたりといった、特定の動作を何度も繰り返すこともあります。

自閉症をもつA君(3歳)の様子

A君は、1歳まではおとなしく、一人にしておいても泣かない子どもでした。1歳になったころから多動で、ことばは単語が出るくらいでした。目が合うことが少なく、呼んでもふり向いてくれません。耳が聞こえないのかなと心配しましたが、好きなテレビCMの音が聞こえると、隣の部屋にいても飛んできます。
3歳になり、幼稚園に通い始めましたが、お話を聞く時間には一人だけ部屋から出て砂場へ行きます。先生やお友達の働きかけで少しずつ慣れて、今は他の子どもの後ろについて行動しています。

子どもの自閉症の原因

自閉症は、広汎性発達障害のひとつです。発症率は1000人に1~2人と言われ、女の子より男の子に多く見られます。
かつて、自閉症は、親の間違った育て方や愛情不足、ストレスなどによって引き起こされる心の病気だと考えれれていましたが、今ではその考え方は医学的に否定されています。

自閉症は、先天的な脳の機能障害です。しかし、その詳細なメカニズムや、なぜそのような脳の機能障害が引き起こされるのかは、まだはっきりわかっていません。日々の研究で、発達障害の一部について証明された事実であったり、関連が指摘された要因については少しずつわかってきていますが、自閉症を含む発達障害の症状はさまざまで、原因も多様であると考えられています。

子どもの自閉症の治療法と対処法

子どもの自閉症の治療法

自閉症そのものを治す薬はまだありません。自閉症での薬物療法は、てんかんや多動などの二次的症状が起きている場合に対症療法として用いられます。
自閉症の治療の中心となるのは、治療教育です。すなわち「療育」です
自閉症をもつ子どもは、他人とうまくコミュニケーションをとることができなかったりと、対人関係が苦手なため、社会に適応するのが困難です。そこで、他人とのかかわり方や、場面に応じた適切な行動の仕方を学び、社会的に自立するためのサポートします。これが療育です。

自閉症の療育で使われる「TEACCHプログラム」

自閉症の療育で「TEACCH(ティーチ)プログラム」というのがあります。これは、1960年代にアメリカのノースカロライナ州で自閉症をもつ子どもために始められたサービスで、優れた療育モデルとして日本に広まりました。
TEACCHでは、保護者と専門家が連携して、子ども一人ひとりの個性や特質などに合わせて、必要なサポートを行い、その子の能力を最大限に引き出します。たとえば、自閉症をもつ子どもは、他人と物事の認識に仕方が異なるため、正しい理解ができません。これが適応困難を引き起こす大きな原因となっています。TEACCHでは、その子を取り巻く環境の意味を教えていくことによって子どもの理解を助け、社会に適応できるように導きます。つまり、自閉症を治すのではなく、適応力を育てて、自立を後押しするのです。

その他、突然、怒りだしたり泣きわめいたり、自傷行為をしなりなどの好ましくない行動を改善するために「行動療法」が用いられることもあります。好ましい行動をしたときは、タイミングよくほめることによって、問題行動を減らし、よい行動を増やしていきます。

自閉症をもつ子どものための家族の対処法

自閉症をもつ子どもの成長に合わせて、家族ができる対症法を紹介していきます。

幼児期:ことばだけに頼らない

幼児期の対処法としては、その子の考え方や行動に合った働き方をすることが大切です。
自閉症をもつ子どもは、耳からの情報を処理するよりは、目でみた情報を処理するほうが得意です。そのため、ことばだけに頼らず、絵やシール、カード、文字なども活用して視覚的にコミュニケーションするほうが良いでしょう。まずは、意思の疎通ができるようになることが先決です。
また、わけもなく泣いたり騒いだりするときは、身に危険がない限りは見守ってあげましょう。そこで、なだめたり声をかけたりすると、かまってほしくてますます騒ぐこともあります。興奮がおさまって静かになったらほめましょう。これを続けていくと、静かにするのがよいことだと、次第に理解できるようになります。このように、よい行動をしたときに積極的にほめて、どうするのがよいことか示してあげるのです。

学童期:具体的な手順を示す

自閉症をもつ子どもは、目に見えない概念を理解したり、予測しながら行動するのが苦手で、未知のものを怖がります。手順や道順などがいつもと違うとパニック状態になるのはそのためです。手順やスケジュールは、できるだけ具体的にわかりやすく示しててあげましょう。何をいつどこで、どの順番でやるのか、いつごろ終わるかをあらかじめ示してあげると、落ち着いても物事に取りかかれます。身のまわりのことが、自分でできるようになったら、社会のルールや社会生活に必要なマナーなども少しづつ教えていきましょう。
学習面では、同じ自閉症でも個人差が大きいので、その子が得意なことを伸ばして、学ぶ楽しさを教えるのがいいでしょう。子どもの能力にあった教育を選ぶことも大切です。

思春期:役割をもたせて自信に

自閉症をもつ子どもは、何かと手がかかるため、思春期になっても親は子ども扱いしがちです。しかし、その子なりに成長しているので、親のそんな態度が子供のプライドを傷つけることもあります。徐々に接し方を変えて、自身が育つようにしましょう。
また、将来の自立を見据えて、家庭で積極的にお手伝いをすることも意味があります。能力に応じて、炊事や洗濯、お風呂掃除など、何か子どもの役割を決めて任せるようにするのもいいです。

自分の子どもが自閉症かもと思ったら・・・

自閉症は、1歳ぐらいまでははっきりとした診断がつかないことがほとんどです。2~3歳になると、特徴的な症状が目立つようになるので、このころになるとわかることが多いようです。しかし、1歳を過ぎたころ、笑わない、反応が少ない、目が合わないなどがみられ、何かおかしいと気づくこともあります。そんなときは、早めに専門機関に相談してみましょう。専門機関は、子育て支援センターや保健福祉センターなどにいくと紹介してもらえます。療育は、早く開始すればするほど、改善効果が高くなるともいわれています。

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