子どものアスペルガー症候群の症状と特性に合わせた対処法

子どもの発達障害 

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自分の子どもがアスペルガー症候群かもと思ったときに気になる、子どものアスペルガー症候群の症状の特徴や、子どもの特性に合わせた対処法をわかりやすく紹介していきます。

子どものアスペルガー症候群の症状と原因

子どものアスペルガー症候群の症状と特徴

子どものアスペルガー症候群の症状としては、以下のことが上げられます。

  • 他人とうまく付き合えない
  • こだわりが強く集団行動が苦手

それぞれの症状についての特徴を詳しく紹介していきます。

他人とうまく付き合えない

アスペルガー症候群も自閉症と同じく、広汎性発達障害のひとつです。
自閉症と異なるのは、表面的にはことばの遅れがなく、知的発達にも遅れがほとんど見られないことです。そのため、少し変わった子と思われるぐらいで、なかなか障害があるとは気づかれにくく、思春期になってわかったという子も多いです。
ただし、他人の気持ちをくみ取れない、ルールを守れない、ボディーランゲージが理解できない、他人に共感できない、状況に応じた行動ができないなど、広汎性発達障害特有の社会性の乏しさはみられ、まわりの子とトラブルを起こしがちです。
無神経な子とか、自分勝手な子と誤解されて、仲間外れにされたり、いじめの対象になってしまうこともあります。このような、つらい経験が積み重なって、些細なことにも過敏に反応したリ、ストレスが溜まってパニックを起こすこともあります。

【子どもの自閉症に関する記事はこちら】
→ 子どもの自閉症の症状と成長に合わせた対処法

ボディーランゲージ・・・身体言語。身振り手振りで行われる意思伝達手段。

こだわりが強く集団行動が苦手

アスペルガー症候群をもつ子どもは、特定の物や手順、道順、物の置き場所などにこだわりがあります。これは自閉症とも共通しています。まわりの子どもがそれを乱すと、パニックを起こすこともあります。
集団行動が苦手で、他の子どもが一緒に遊ぼうとしても嫌がり、ひとり遊びを好む傾向があります。興味の対象が非常に狭く、普通の子があまらい興味を示さないものに夢中になったり、遊び方も独特です。不器用な子どももおり、球技や縄跳びなど、手と足を同時に動かすような運動は苦手です。
また、自分なりの考え方ややり方があり、一度やると決めたら、事の善し悪しにかかわらず、最後までやり抜くところがあります。

子どものアスペルガー症候群の原因

子どものアスペルガー症候群は、広汎性発達障害のひとつで、先天的な脳の機能障害です。しかし、その詳細なメカニズムや、なぜアスペルガー症候群などの脳の機能障害が引き起こされるのかは、まだはっきりわかっていません。日々の研究で、発達障害の一部について証明された事実であったり、関連が指摘された要因については少しずつわかってきていますが、アスペルガー症候群を含む発達障害の症状はさまざまで、原因も多様であると考えられています。

子どものアスペルガー症候群の治療法と対処法

子どものアスペルガー症候群の治療法

アスペルガー症候群そのものを治す薬はまだありません。
アスペルガー症候群の治療の中心となるのは、治療教育。すなわち「療育」です
アスペルガー症候群をもつ子どもに合った環境を整えることによって、能力を引き出し、障害を克服し生きやすくなるようにサポートします。イライラや過敏、頻繁にパニックを起こす、暴力などがみられるときは、薬物療法を行うこともあります。

アスペルガー症候群をもつAさん(16歳)の様子

Aさんは、ことばの遅れがあり、4賛意でようやく会話が成立しました。自閉症が疑われたものの、IQ120と知的能力が高かったのです。就学後も成績はよかったのですが、いじめの対象になりやすいこともあり、心配した両親が私立の女子中学に進学させました。中学2年生のときに予想外の悪い成績に奇声を発して先生に抗議。中学3年生になると、友人もなく、いじめも激しくなり不登校になりました。その後、マンガを描き始め、自分を表現できる場ができたことで比較的安定して生活を送れています。

アスペルガー症候群をもつ子どものための家族の対処法

アスペルガー症候群をもつ子どもは、ことばや知能に遅れがないため障害に気づきにくいということがあります。自分に障害があると知らず、集団行動になじめず、友達に仲間外れにされ、先生にもよく叱られ、本人は生きにくさを感じています。まずは、その苦しみを理解してあげることが大切です。

どうすればいいか具体的に教える

本人の言動がその場にそぐわなかったり、友達とうまく遊べない場合は、どうしたらいいのかを具体的に伝えましょう。「そんなこと言ったらダメ」と叱るのではなく、どう言えばよかったのか、どう振舞えばよかったのかをひとつづつ丁寧に教えましょう。友達との付き合い方や、基本的なマナーなどは、普通の子であればまわりを見て学習していきますが、アスペルガー症候群をもつ子どもは、それができません。ですから、友達にあったらまず声をかける。いきなり一方的にしゃべるのではなく、「ちょっといい?」などと前置きをしてから話始める。友達が何か言ったら、「うん」「そうだね」「すごいね」などと相づちを打つなど、具体的に教えます。
また、「やったね」「偉いね」「嬉しい」「悲しい」「ごめんなさい」「ありがとう」「嫌だ」といったことばは、どういう場面で、どんな気持ちのときに使えばいいのかも伝えましょう。誘われたときは、どんな返事をすればいいのか、嫌なことをされたらどう対応すればいいのかなども日常生活のなかで具体的に教えていきましょう。

日課表を作ってスケジュールを示す

アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害をもつ子どもは、手順やスケジュールの変化に柔軟に対応できません。たとえば、平日と休日の日課表をつくるなど、あらかじめ1日に流れを示すことで落ち着きます。何時に何をすると具体的に、また、視覚的にわかりやすい表にして、目につくところに貼るといいです。学校行事などで、どうしてもスケジュールを変更しないとい変更しないといけないときは、事前に変更を知らせ、内容(何をするのか)もきちんと知らせておきましょう。

わかりやすく情報を整理

アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害をもつ子どもは、情報を整理して取捨選択するのも苦手です。そのため、子どもが行動しやすいように、環境を整えることも大切です。たとえば、この部屋は勉強をするところ、この部屋は食事をするところなど、どの部屋は何をするところなのかを明確にします。学習するときも、課題を細分化して、どんな手順でいつまでに完成すればいいのかをあらかじめ示して、ひとつずつ指示します。できたらほめて、達成感を味わうようにしましょう。

アスペルガー症候群は特異な才能が開花することも

アスペルガー症候群は、知能に遅れはないので適切な働きかけを続けていれば、難関の大学進学したリ、仕事に就いて自立できるようになります。まわりの人と強調していく仕事は困難でも、自分の好きなことには素晴らしい集中力を発揮するので、ときには芸術家や研究者として特異な才能がかいかすることもあります。才能を伸ばして活かすためにも、成人を迎える前に社会で生活する適応力を育ててあげることが大切です。

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