子どものADHDの症状と成長に合わせた対処法

ADHD, 子どもの発達障害 

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自分の子どもがADHD(注意欠陥多動性障害)かもと思ったときに気になる、子どものADHDの症状の特徴や、子どもの成長に合わせた対処法をわかりやすく紹介していきます。

子どものADHDの症状と原因

子どものADHDの症状と特徴

子どものADHDの症状としては、以下のことが上げられます。

  • 落ち着きがなくじっとしていられない
  • 注意力がなくケガをしやすい
  • 話にまとまりがなく、学力が低い

それぞれの症状についての特徴を詳しく紹介していきます。

落ち着きがなくじっとしていられない

ADHDをもつ子どもは、絶えず落ち着きがありません。授業中でもじっと座っていることができずに、ウロウロと歩き回ったり、隣の子にちょっかいを出したりします。なれない場所や刺激の多い場所では、こういう症状が出やすく、興奮して走り回り、迷子になることもよくあります。
また、我慢することも苦手です。順番が待てずに割り込んだり、友達のおもちゃを黙って取ってしまうため、他の子どもたちから浮いてしまいます。学年が上がるにつれ、叱られるとキレて暴れ、反抗的な態度を取ることもあります。このようなことから、幼稚園や学校では問題児扱いされることがあります。

注意力がなくケガをしやすい

ADHDをもつ子どもは、衝動的な行動をしがちで、急に飛び出したり、狭い場所で走り回るので、ケガが絶えません。自分の行動をコントロールするのが苦手なうえ、注意力もないので危険な目にあいます。また、スポーツが苦手で、動きがぎこちない子も多く見られます。バランス感覚が悪いので、何かから落ちたり、転んだりしやすく、そのためにケガをすることもあります。
多動性・衝動性・注意力のなさはADHDの特徴です。これらが複合してケガを招きます。単純に活発なだけなのかADHDのなのかよく観察してみることが大切です。

話にまとまりがなく、学力が低い

ADHDをもつ子どもの、急に話をし始めたり、相手の話を聞かずに自分の言いたいことだけを一方的に話します。また、筋道を立てて説明するのが苦手で、話題がすぐに変わったり、急に話が飛んだりします。そのため、何が言いたいのか相手になかなかわかってもらえません。自分の気持ちをうまく伝えれないので、誤解されて孤立していまうこともあります。
このような言語能力の低さや、集中力の欠如から学習面で遅れがでることもあります。また、ADHDは、LD(学習障害)を合併することも多いので、教科によって成績に大きな違いがあったり、ひとつの教科でも内容によって成績に大きな違いがある場合はLDも疑いましょう。

ADHDをもつA君(12歳)の様子

A君は、幼稚園の年長のころから多動性が目立ち始め、集団行動に参加できませんでした。小学校にいっても授業中に歩き回ったり、寝そべったり、他の子にちょっかいを出し、欲求が通らないと興奮して暴力をふるいました。3年生ぐらいになると、ますます授業を拒否し、ゲームに熱中するようになりました。困り果てた母親が医療機関を受診して、その後、ADHDと診断されました。薬の服用を開始したところ、次第に落ち着き、喜んで障害学級に通うようになりました。

子どものADHDの原因

ADHDは脳の機能障害です。
そのメカニズムは、現在の医学ではまだはっきりと分かっておらず、一番有力なものとして、脳の前頭前野部分の機能異常だと言われています。脳の前頭前野は、物事を整理整頓したリ、倫理的に考える働きをします。ADHDは、この部分の働きに何らかの異常があり、思考よりも五感からの刺激を敏感に感じ取ってしまうということです。

一般的には7歳までに発症し、女の子により男の子に多くみられます。しかし、落ち着きがないことを個性や性格ととられられたり、保護者のしつけが悪いと誤解されることもを多く、大人になって仕事が上手くいかなかったり、自分は人とは違うと感じることで発覚する人もいます。
3歳から小学校低学年ぐらいにかけて症状がはっきり出てきて診断がつく場合が多いのですが、小学校卒業ぐらいになると、落ち着きのなさはおさまってくるのが普通です。ADHDは、大きく分けると

  • 多動性と衝動性はみられるが不注意はない「多動性・衝動性優勢型」
  • 不注意はあるが多動性や衝動性は少ない「不注意優勢型」
  • どちらの症状もみられる「混合型」

  • に分けられます。「不注意優勢型」では、多動が目立たないので、ADHDと気づきにくいこともあります。

    子どものADHDの治療法と対処法

    子どものADHDの治療法

    ADHDそのものを治す薬はまだありません。
    薬物療法としては、ADHDの症状を緩和させる治療薬が用いられます。2017年現在、日本でADHDの適応薬として認可を受けているものは「ストラテラ」、「コンサータ」、「インチュニブ」の3種類です。

    ADHDの治療の中心となるのは、ADHDによる困難の乗り越え方を学ぶ治療教育「療育」です
    ADHDをもつ子どもは、その特性から、生活する中で困難にぶつかることが多くなります。同じ失敗を繰り返して何度も叱られたり、順番やルールを守れずトラブルになったり。こういった生きにくさから、自分に自信をなくしたり、周りに敵意を持ってしまったり、それらが引き金となって、うつ病やひきこもりなどの二次障害や併存症、合併症を発症することがあります。家庭、医療機関、教育機関が連携して治療していくことが症状改善への早道となります。

    ADHDをもつ子どものための家族の対処法

    ADHDをもつ子どもの成長に合わせて、家族ができる対症法を紹介していきます。

    幼児期:叱り過ぎない

    ADHDをもつ子どもの多動性は、ハイハイをし始めたころから見られることがあります。一般的なお腹を床から離して両手と両膝を使ってのハイハイではなく、肘でめまぐるしく這いずり回ります。歩けるようになると、やみくもにあちこちに歩き回り、制止してもききません。そのため、しょっちゅう転んだり、いろいろなものにぶつかります。大きくなると、ますますこの傾向が顕著になり、急に道路に飛び出したり、友達に乱暴するので、親は謝ったり、叱ったりが多くなり疲れてしまいます。ADHDをもつ子どもがこのような状態になるのは、親のしつけが悪いからでもなく、子どもが悪いわけでもありません。子ども自身も抑えられないのです。叱ってばかりだと、親も子どもも自信をなくしてしまいます。
    ADHDは、環境の調整やまわりの対応次第で、社会に適応できるようになります。根気よく、危険を避ける方法や友達とのかかわり方を学びましょう。周囲にいる人の対応が何よりも大切になります。

    学童期:目標をつくってステップアップ

    学童期は、ADHDの症状が最も目立つ時期です。友達とのトラブルが絶えず、子どもは疎外感をもったり、自信を失いがちです。親は、子どもの苦しみを理解して、少しでも我慢できたり、騒がずにいられたらほめるようにしましょう。最初から高い目標を設定するのではなく、できそうなことから始め、達成感と自信をもてるようにします。たとえば、「5分だけ静かに座っている」「黙って人の話を聞く」「おもちゃを決まった場所に片付ける」などの小さな目標をつくり、できたらほめて、少しずつステップアップしていきます。叱ることより、ほめることを優先して、指示は具体的かつ短く簡潔に出すように心がけましょう。

    思春期:集中できる環境をつくる

    中学生ぐらいになると多動性はおさまってきますが、不注意はそのまま残ることが多いです。そのため、学習面で遅れがでることもあります。家庭では、できるだけ集中できるような環境を整えましょう。「部屋はきちんと片付ける」「勉強机によけいな物を置かない」「使ったものは決められた場所に戻す」といった習慣をつけます。テレビのつけっぱなしにしないで時間を決めてつけるようにします。また、子どもの役割分担を決めて、やり遂げたらほめ、達成感を味わうことも大切です。

    心からほめてあげることが大切

    ほめるといっても、口先のほめことばでは、子どもの心に届きません。タイミングよく心からほめるようにしましょう。「がんばってよかった」ことを具体的な形で示すのもよいです。園児なら、「がんばったね」「よくできたね」と言いながら、できたしるしにシールを貼ったり、スタンプを押すのは有効です。小学生なら、手作りの表彰状やメダルも効果的です。思うような結果が出なくても、努力を認めてあげることも忘れずに!

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